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正しい口臭対策は特別な歯磨き剤を使うより歯垢(プラーク)の除去を!

最近、口臭についてのお問い合わせが大変多く寄せられます。そして、その中の何人かの方は、実際に相談に来院されました。
そうした中、口臭を考える上で、歯科医師がまずとるべき基本的な対応が行われていないケースがいくつもあることに驚きました。今日は、正しい口臭対策についてお話しいたします。

知っておきたい「正しい口臭対策の話」

相談にみえた患者さんの中には、口臭対策として、歯科医師がまず行うべき基本の処置が不十分なまま、(比較的高価な)特別な(効果があると歯科医師から言われているらしい?)歯磨き粉や、うがい液(リンス液)の継続使用を勧められた方もいらしゃいました。

もちろん、効果が上がらなかったため、相談にみえたのです。私は、歯科医院として、あまりにも当然すぎる、そして、あまりにも基本すぎる内容なので、わざわざ皆さんにお伝えする必要もないことかと思ってきましたが、やはり、歯科医院によっては、口臭対策の最も基本的な部分をおろそかにしている事実を目にしてしまいましたので、受診する患者さん側の知識として、知っておいたほうが良い、正しい口臭対策についてお伝えします。

口臭は3つの種類・病的口臭は口の中の原因が多い

口臭には以下の3種類があります。

  1. 誰にでもある生理的口臭
    (朝起きた時、空腹時、月経時、緊張時、加齢によるものなど)
  2. 治療が必要な病的な口臭
  3. 実際には臭わない心理的な口臭

その中で一番多いのは 2治療が必要な病的な口臭です。
そして病的な口臭の原因の90%は口の中にあるといわれています。虫歯や歯周病、口腔軟組織疾患、口腔悪性腫瘍などが上げられますが、その中でも、歯周病が最大の原因です。
病的な口臭の口以外の原因としては、鼻疾患、呼吸器疾患、消化器疾患、糖尿病、尿毒症、肝臓病などの全身の病気やストレスが原因で起こることもあります。

口臭の対策としては、歯周病の最大の原因でもあるプラーク(歯垢)を落とすことから始めなければなりません。
つまり、口臭対策の第一歩は、何よりもまず、歯の汚れ・プラーク(歯垢)を完全に取り除くこと、正しい磨き方を身につけることと、専門的なクリーニングを受けることです。
虫歯治療や不良な治療のやり直し、舌苔の除去なども、もちろん必要になるかもしれませんし、ひょっとしたら、全身的な病気の有無も調べなければならないかも知れませんが、まず行うべきことは、歯垢(プラーク)対策です。
歯垢(プラーク)は、簡単に言うと、膨大なバイ菌とそれが作り出すネバネバした分泌物の集まりです。

萩原歯科医院では、患者さんのプラーク(歯垢)をプレパラートに乗せて、顕微鏡で拡大して見ていただくことがありますが、ほとんどの方が、その中で大量にうごめく細菌の姿に驚かれます。
時には、「こんなものが自分の口の中にいるかと思うと気持ちが悪い」とおっしゃる方もいます。

一般に、お口の中がきれいな方は、その細菌を探すのが難しいくらい数が少なかったり、細菌がいてもその動きが鈍い状態ですが、口臭で悩んでいる方の多くは、とても活発な大量の細菌がお口の中に存在しています。

このプラーク(歯垢)、実は、歯ブラシや補助用具、専門的な清掃機器などの、道具や機械を使って、きちんとこすり落としたり、かき落とさない限り、お口の中から除去することはできません。
プラーク(歯垢)はバイオフィルムというもので守られ、歯に強固に付着しているからです。

そのため、抗生物質や殺菌剤などが効きにくく、また、水に溶けない性質のため、お口をゆすいでも、うがいをしても取れないのです。ちょうど、台所やお風呂の流しの排水溝の汚れと同じと考えてください。
台所用の強力な薬剤を使っても、スポンジでこすらない限り、しっかりすっきりとは落ちないものです。歯の汚れも同じです。一度落としたからと言って、定期的なお手入れをしないと、また、こびりついてしまうところも同じです。

しかも、歯の場合、歯と歯の間や、歯肉との境目など、家庭内での歯磨きだけでは、どうしても届かない部分があり、ご自身では取りきれない汚れが残ってしまいます。それらを取り除けるのは、歯科医院での専門家によるクリーニングです。
さらに、必要になるのが、きれいなお口の状態を維持するための、その方に合った正しい歯磨きの方法です。その方の歯ブラシの動かし方の癖や、歯並びの状況にあった、その方にとっての正しい歯磨きの方法をしっかりと身につけることです。
歯磨きの指導は、一度ではうまくいきません。話を聞いただけでは、実際にはできません。自動車の運転と同じですね。いくら本を読んでも、一度教えてもらっても、運転できるようになるには、教習所に通い、繰り返し学ぶ必要があります。しかも、一度できたと思っても、運転しないと、うまくできなくなってしまうところも同じです。

ここまでやって、お口の環境をきれいにしてもなお、口臭が治らないときに、初めて、次の段階の治療を考える必要が出てきます。
私は、口臭対策のために、口腔清掃と歯磨き指導をきちんと行わずして、やらなくても良い「古い治療や、あっていない治療」のやり直し(…残念ながら、歯科医師が指摘して不必要なやり直し治療をしてしまうことがあります…)など、全く無意味だと思っています。むしろ、やるべきではないでしょう。(誤解しないでいただくために申し添えると、もちろん、やり直しが本当に必要な治療もあります。)

つまり、お口の中を徹底的にキレイにすることが第一、それをせずに特別な口臭対策と称して、高価な歯磨き剤や、歯科用リンス液を使用する必要はありません。
プラーク(歯垢)が歯に強固に付着していて、抗生物質や殺菌剤などが効きにくく、また、水に溶けない性質のため、お口をゆすいでも、うがいをしても取れないことは、多くの論文でも証明されているのです。

こうしたお口の中の対応をしてもなお、口臭が治らない場合は 「鼻疾患」「呼吸器疾患」「消化器疾患」「糖尿病」「尿毒症」「肝臓病」などの全身の病気が原因かもしれません。
専門の科をきちんと受診しましょう。そして、 ストレスをなるべく少なくするような生活を心がけましょう。 特有なにおいのある食べ物(にんにく・ねぎなど)を偏ってとらないことも、心がけるとよいでしょう。

口臭は様々な人間関係に影響を及ぼすことさえあります。

でも、正しい対策は、実は、とても地道な基本的な方法です。歯磨きの方法は、元に戻りやすいので、定期的にチェックを受け、同時に歯磨きだけでは取り除けない汚れを専門的なクリーニングで定期的に取り除くことが、効果的です。